zozoxのブログ

社会の問題に一石を投じます

なぜ人々はお金に支配されるのか【利子の不平等について】

2017年現在、日本のGDPは、アメリカ合衆国中華人民共和国に次いで第3位の大きさです。これは、一定期間内に国内で生産された付加価値が世界で3番目に大きいことを意味します。しかし、そんな日本でも深刻な社会問題に直面しています。
年間3万人の自殺者 、200万人の生活保護受給者 、250万人の失業者 。そして1万人を超えるホームレス 。 
これらの状況から日本が豊かな国であるとは言えません。豊かさとは、満ち足りて不足がなく、ゆとりのある様子を意味しているからです。
個人あるいは一部のコミュニティ間で豊かさを享受している恵まれた人々は存在しています。しかし社会規模では豊かさを享受していません。

なぜ、人類は豊かさを享受できないのでしょうか。
世界では8億人が健康で活動的な生活を送るために必要な食糧を得られていません。一方で富裕層80人の資産は貧困層35億人の資産総額を超えています。
なぜ、このような経済格差が発生するのでしょうか。
個人の努力不足が原因ではありません。これらの問題は、社会構造に起因していると考えます。人類が豊かさを享受できない原因は、貨幣制度に内在しているのです。

貨幣とは何か、貨幣制度の問題とは何かを考えていきましょう。

 貨幣の機能

お金のマーク(ドル・札)

貨幣とは、人々がそれと引き換えに商品を引き渡す資産のことです。なぜ、人々は貨幣を受け入れるのでようか。そこで、貨幣の機能について見ていきましょう。
人は何か欲しいものを得るときに、自分が持っている何かと交換を行います。それは農作物であったり労働力であったり貴金属であったりします。その際に大変便利であるのが貨幣です。物同士を直接交換するよりも、その間に貨幣を挟むことで欲しいものが簡単に得られるからです。

つまり、貨幣によってお互いの欲望を満たせるので、交換が円滑に行われます。

また貨幣は、商品の価値を測定する計算単位としての機能を有しています。貨幣を価値の基準とすることで、交換の際の計算が楽になりなす。

つまり貨幣は、あらゆるモノの価値を計る尺度です。

加えて貨幣は、価値を将来に残す機能を有しています。食物などの一般的な商品とは異なり、貨幣は腐る事がありません。また骨董品のように壊れる事もなく、誰も買ってくれないという心配もありません。つまり、貨幣は価値を保存するのに最適です。
貨幣の機能を整理すると、次の3つとなります。

交換する媒体となる「交換機能」

物同士の価値の違いを図る「価値評価機能」

価値を保存して蓄えることができる「価値保存機能」です。

貨幣の保有動機

人々が貨幣を保有する動機は、3つあります。
(1)取引動機
商品を購入するには貨幣が必要となります。他の資産を支払いに用いることは基本的にできません。例えば広大な土地を持っている人でも、物を買うには貨幣を持っていなければなりません。そこで一定の貨幣を手元に置いておく必要があります。
(2)予備的動機
現時点では貨幣が必要でない場合でも、不意の出費に備えて貨幣を保有しておく必要があります。
(3)投機的動機
貨幣の資産としての相対的有用性に着目して保有する場合があります。債券や株式の値下がりにそなえて、安全な貨幣を資産として保有しておくのです
以上の機能と保有動機により、人類は積極的に貨幣を受け入れることになりました。

貨幣は、あらゆる商品やサービスを購入でき、どこの場所でも使用できます。非常に便利な道具なのですが、大きな問題を有しています。

貨幣制度の問題

貨幣は利子によって、比較的短期間で無限に自己増殖する機能を有しています。

食料や建物は時間がたつにつれて腐敗もしくは償却する形で無価値になります。

土地でさえ無価値にならないにしろ貨幣のように価格が高騰することは基本的にありません。

社会において貨幣のみが自発的に無限に増えていくのです。

 

貨幣が持つ自己増殖機能により、著しい経済格差がが発生します。

利子によって、貨幣を多く持つものは多くの利子を受け取ることができます。

それにより50年、100年と時を経ることで貨幣を持つものと持たない者の経済格差は大きく乖離しその差が縮まることは決してありません。

経済学者のピケティは著書「21世紀の資本」について、資本(貨幣)の成長率が経済(労働)の成長率より大きく、必然的に経済格差が大きくなることを世界に向けて発表しました。

利子は不平等で不公平な制度です。富めるものはもっと豊かに、貧しいものはもっと貧しくなる原因は利子にあります。

 

貨幣にも消費期限を


エンデの遺言 ~根源からお金を問う~

著しい経済格差をなくすためには、貨幣による自己増殖機能をなくす必要があります。

そして貨幣は食料や建物のように時とともに価値を失うべきであると考えます。

経済格差は個人の努力不足ではありません。

利子制度により貨幣を持つものが持たない者から搾取しているだけなのです。

社会全体が豊かになることは夢物語ではありますが素敵な夢です。

累進課税制度の促進や利子制度の撤廃などによって著しい経済格差を無くし、少しずつ世界を良くしていくことが人類の進歩だと私は考えます。